ガラスは今から約5千年前のメソポタミヤ文明で発祥しました。
人類がつくったはじめての人工素材だそうです。
この時代は型にガラス粉を入れ焼成する現代でいうパート・ドゥ・ヴェールと呼ばれる技法で創られていました。
しかし、この技法は手間がかかりやがて廃れ、ガラス形成を瞬時にする吹きガラスの技法が普及していきます。
この古代ガラス技法を復活させたは19世紀末アール・ヌーヴォ―のガラス作家達です。
しかしその技法は秘伝とされた為、作家達の死と共に断絶してしまいました。
そしてここ数十年の間、ガラス技術は改めて見直され急激に進歩しています。
現在、ガラスは食器などにつかわれるだけでなく、電子機器や通信機器など幅広い分野で必要不可欠なものとなっています。
ヨーロッパでは、義眼はもともと吹きガラスで創られたそうです。
日本では、平安時代末期以降、仏像に水晶で創られた玉眼が盛んに用いられ、像に命を吹き込んできました。
現代では、人形の眼はガラスの他にプラスチック・シリコンなどの素材でも創られています。
眼の表現は人形の命ともいえます。
私も初め樹脂を使ったり、バーナーワークの教室に通ったりしましたが、なかなか自分の作品に合う眼にならず、自分の眼ができるまでは木の素材で眼を創るようになりました。
そうして模索している中、パート・ドゥ・ヴェールという技法に出会いました。
古代ガラス技法です。

この技法での義眼を創る方法は確立されてないので、まったくゼロからの挑戦となりました。試行錯誤しながら、最近やっと自分の作風に合うガラス眼ができつつあります。
引き続き、ディテールや色味調整など研究を続けたいです。
また、台やパーツの素材としての展開もしていきたいです。
清
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